メディアレポート

第65回NHK「紅白歌合戦」はこう見られた! (リサーチ評論家 藤平芳紀氏)

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2015年初となる今回のコラムでは、年末恒例のNHK「紅白歌合戦」について、スイッチ・メディア・ラボ社のテレビ視聴調査データをもとに視聴状況をみてみたい。

この調査は関東地区の個人5,000人(1,957世帯)を対象に、独自に開発したテレビ視聴データ収集機から、インターネットを利用して地上デジタル放送の全ての番組の視聴状況を毎秒単位で回収・集計し、ほぼリアルタイムにその結果を提供するサービスである。

年層別「紅白歌合戦」の見られ方

下のグラフは昨年大晦日に4時間半にわたって放送された第65回NHK「紅白歌合戦」を関東(1都6県)で見ていた人の個人視聴状況を「若年層(男女4~19歳)」、「中年層(男女20~49歳)」、「高齢層(男女50歳以上)」の3層別に、折れ線グラフで表示したものである。

第65回紅白歌合戦 層別個人視聴推移(関東・個人視聴)

今回の「紅白」はどのように見られたのだろうか? 午後7時15分から放送された第1部(前半)から詳しく見てみよう。

第一部 企画コーナーが若年層をひきつけた

高齢層(男女50歳以上)

一目で判るのは「高齢層」の視聴の高さである。第1部は言うに及ばず、20時55分から放送される「ニュース」以降の後半・第2部の視聴の高位安定は、「紅白」の視聴を下支えしているといえよう。とくに50歳代の女性層と65歳以上の男性の視聴が顕著で、彼らこそが「紅白視聴」の真のキー・パーソンたちである。

若年層(男女4~19歳)

もう一つの特徴は、「若年層」の「企画コーナー」への関心の強さである。
事前の予想も「妖怪ウォッチ」や「アナと雪の女王」、「花子とアン」などの出し物は、昨年の「あまちゃん」だけとは違って、“視聴者に見て喜んでもらう”に十分な企画となっており、人々の関心も、そうした企画コーナーで視聴が高くなっていくだろうという世評であった。その最たるものが「妖怪ウォッチ」である。放送開始早々、19時半頃からの「妖怪体操」での若年層の視聴は敏感にこれに反応していった。また20時半頃からの「アラシニャン「A・RA・SHI~妖怪編~」からキング・クリームソーダの歌う「ゲラゲラポーのうた」において彼らの視聴のジャンプ・アップは、顕著なものであった。

中年層(男女20~49歳)

これまで「紅白」にあまり強い関心を示さなかったのが、この層であった。今回も前半・第一部の視聴は、3層の中では最も低いのだが、2回あった「妖怪ウォッチ」のコーナーでは、いずれも強い反応を示していた。職業別区分で見てみると主婦と小学生の視聴が一段と高くなっていた。おそらく、このコーナーを喜ぶお子さんと一緒に見ていたのであろう。

第二部 80年代人気歌手と「アナ雪メドレー」が終盤まで視聴を盛り上げる

21時以降の第2部の視聴の特徴は「SMAP」が登場するまでの若年層の視聴の頑張りである。通常、時間の深まりとともに、若年層は就寝するため、彼らの視聴はガクッと下がるのであるが、今回はそうならなかった。
また中年層も「中森明菜(22時45分頃)」や「サザンオールスターズ(23時15分頃)」など、そしてもちろんご贔屓の「松田聖子(23時30分頃)」の登場を待ち焦がれてか、尻上がりに視聴が増えていった。“80年代の人気歌手の登場と昨年大ヒットした「アナ雪」、「花子とアン」の企画もの”に、彼らはどっぷり浸かった感が深い。

視聴者層別 上位5シーン

最後に上記3層別の個人視聴インデックスの上位5シーンを記載しておくので、ご参考にされたい。
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若年層と高齢層のベスト5は第2部の比較的早い時間のMay.Jが歌いあげたアナと雪の女王の「Let It Go」や「嵐」に、中年層のベスト5は「聖子」や「サザン」、「明菜」など、遅い時間(23時台)に、逆に高齢層は若年層と同様、「May J.」や「ゴールデン・ボンバー」など、第2部の比較的早い時間というのが、興味深い。

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