メディアレポート

これからのCMプランニングには「個人」の視聴データ分析が必要

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Sansan株式会社 Sansan事業部マーケティング部 北口理人氏インタビュー

法人向けテレビCMの代表的な成功事例といえば、俳優・松重豊さんの決めゼリフ「それ、早く言ってよ~」でおなじみ、クラウド名刺管理サービス「Sansan」(東京・表参道)のユニークなCMシリーズが思い浮かぶのではないだろうか。

同社がテレビCMを開始したのは、2013年だ。当時、BtoBベンチャーのテレビCMで成功事例がほとんどない中、CM放送に踏み切ったSansan。2017年からは、スイッチ・メディア・ラボのテレビ視聴データ分析サービス「SMART」を導入、CMプランニングなどに役立てているという。同社のCMプランニングにおけるデータ活用法、また2018年春からのテレビ業界の指標変化をどうみているか、Sansan事業部マーケティング部 北口理人氏にお話を伺った。

「名刺を企業の資産に変える」名刺管理で急成長中のSansan

2007年に創業した法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」は、「名刺を企業の資産に変える」をコンセプトに、7,000社を超える企業に導入されている(2018年3月現在)。

同社のビジネスには、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」の他に、2012年からサービス提供を開始した個人向け名刺アプリ「Eight」というプロダクトもある。法人向け「Sansan」のマーケティングを担当しているのが、若きマーケター、北口理人氏だ。

大好評のSansanテレビCMシリーズ。放送開始の経緯

法人向け名刺管理サービスSansan

法人向け名刺管理サービスSansan

– 2013年当時、BtoBベンチャーながらもテレビCMの投資に思い切った経緯をおきかせください。

北口氏:Sansanは創業時から、コピー機がどこのオフィスにもあるように、「名刺を個人ではなく、組織で共有し、それを活用する」という新しい概念が当たり前になり、ビジネスインフラになることを目指してきました。そして、サービス開始当初から積極的に、デジタルやセミナーなどを中心にプロモーションも展開してきました。
しかし、活動を続けてきたところで、アプローチできる層に限界が見えてきました。
「このまま進んで、我々が目指しているビジネスインフラになれるのか?」そう考えた時に、「次はテレビCMなんじゃないか」と、CMが飛躍のための一手としてあがったのです。

CM効果の実感と求める効果指標の変化

Sansan CM放送と法人導入数の伸び

Sansan CM放送と法人導入数の伸び

CM出稿のためにSansanは増資を実施、2013年夏に第一弾CMを開始した。当初は、「サービス認知率の向上」を目標としていたという。CM放送後は、これまでにないぐらいの反響があったと、社内でも伝説になっているそうだ。
その後、CM放送の回を重ねるごとに、Sansanの認知率はどんどん上がり、それに平行して問い合わせ数も飛躍的に伸びていった。

– テレビCMの効果をどのように実感していますか? また、CMの成功要因は?

北口氏:法人向けのサービスを展開する当社では、役員や部長といった「企業のサービス導入決裁者」がマーケティングのメインターゲットになります。そうなると、デジタル広告だけでリーチできる層が限られてくる。
「企業の決裁者」に対して広く、かつ効率的にリーチすることを考えると、やはりテレビCMが手法としては一番いい。また、企業が導入検討する際に、稟議や契約書を社内であげていく中で、「この会社知ってるよ」とCMやサービスの認知や会社の信頼が築けていると、企業内での話の進み方やスピードも違います。そうした点でも、テレビCMが効いていると感じますね。
また、成功要因というと、「クリエイティブに力をいれたこと」ではないかと考えています。

展開を模索すべく、テレビ視聴データSMARTを導入

Sansan事業部マーケティング部 北口理人氏

– テレビCM分析データを導入しようと考えたきっかけを教えてください。

北口氏:CM放送後サービス認知は積み上がっている実感は持ってはいましたが、自分たちで、もっとCMに関するいろいろなデータを見て、PDCAをまわしたり、新しいやり方を模索したい。そんなタイミングでSMARTを導入しました。 代理店のレポートだけだと、従来のM1,M2,M3に対するリーチや結果しか見られないわけですが、Sansanのターゲットは企業の決裁者なので、デモグラ(基本属性)以上のより詳細な属性で数字をみたいと思いました。SMARTは、会社員という職業だけでなく、役職者などの細かい属性でCMの視聴分析ができることが導入ポイントでしたね。

– 実際に活用してみて、SMARTをどう評価していますか。

北口氏:実際使ってみてメリットに感じたのは、とにかく「早くて使いやすい」こと。見たい数字が、シンプルにスッと見れる。例えば、ある期間の、放送局別・曜日時間帯別「ターゲット含有率」のヒートマップがパッと見れたり、CM放送が終わった後のリーチ&フリークエンシーなども、出したいと思ったその場で、すぐに出すことができるんです。ネットの分析サービスとしてUIも優れていて、一番使いやすかったのがスイッチ・メディア・ラボのSMARTですね。

データをもとに、ターゲットを狙ったCMプランニングが可能に

– SMARTのテレビ視聴データを、どのようにプランニング活用していますか?

北口氏:CM出稿に関しては、スポットがメインになるのですが、プランニングにおいて、「会社員役職者(部長・課長クラス)」などのターゲットをいくつかSMARTにシステム設定した上で、そのターゲットがどの曜日・時間帯枠で視聴しているか視覚的にわかりやすくアウトプットした「ターゲット含有率のヒートマップ」を出力しています。
それをみながら、効率よくリーチできそうな放送局・曜日・時間帯を確認し、希望出稿枠としてリクエストしたり、代理店から提案されるプランに対する調整依頼に活用していますね。

SMART導入前は、「コの字」パターンで出稿していましたが、SMARTでターゲット含有率を分析したところ「コの字」に比べて単価が上がる「逆L」でも十分コストに見合ったパフォーマンスができる可能性があると判明。局によっては予算を抑えて出稿パターンを変えてみたり、「逆L」に加えて、特定ゾーンを何割か入れてほしい、といった特殊なバイイングのリクエストも出せるようになりました。

自社にとってお得な枠の発見も!

– SMARTのデータの中でもとくに「ターゲット含有率」で出稿枠を分析して、プランニングに上手く活用されていますね。そうしてみると発見や気づいたことなどがあれば教えてください。

北口氏:視聴率自体はそれほど高くないある局の深夜枠で、ターゲット含有率が高い、当社にとってはお得な枠がある、という発見ができたこともあります。

また別のケースでは、年末年始の特番期間に、紅白の裏番組である人気お笑い番組へスポット出稿を検討した際には、金額が高くて出稿に二の足を踏んでいたんです。その時、一年前のSMART実績データでアクチュアルの視聴状況を確認してみたところ、ターゲット含有率が高く、ターゲットあたりのリーチコストを算出してみると、それでも割安、と数字で確認できたため、「やっぱり出稿しよう!」と社内判断できたこともありました。

肌感覚で「この番組を観ている人は会社役職者も多そう」なんて言ってもダメなんです。データの数字できっちり示せることによって、思い切って一歩踏み出せる。データがあると、CMプランニングにおいても、新しい気付きを得たり、出稿時の判断材料や説得力になります。

今後は、タイムシフトやターゲット個人視聴を加味したCM枠評価へ

2018年春から、CM広告取引の指標数値が「世帯視聴率」から「個人視聴率」へ変わった。テレビ業界にとっては、CM取引が始まって以来の大変化である。

– 企業のCM出稿担当者として、今回の変化とその影響をどのようにみていますか?

北口氏:個人視聴を細かく見られるデータ分析ツールSMARTをすでに使いこなしている我々は、今回の指標変更にも、とくに混乱することはありません。今後は、個人視聴データをしっかり分析して、自社のターゲットに合う枠をみつけられる企業がCM出稿でもよい結果を出せるようになっていくかもしれませんね。
もちろん、リアルタイム視聴のみならず、タイムシフトなどのデータも含めて、CM枠を評価したいと考えています。
これからのスポットCMの枠の評価の仕方は変わっていくのではないでしょうか。

– 御社のCMプロモーションで、今後目指していることを教えてください。

北口氏:Sansanは毎回CMの出し方を変えてPDCAをまわし、新しいやり方をみつけうようとチャレンジしています。今後はもっと、テレビCMだけで完結するのではなく、デジタルやPRをより絡めた立体的なプロモーションをやってその成果をみていきたいですね。toC企業のプロモーション手法や成功事例をうまく取り込みたいと思って、いろいろ研究しています。

– 貴重なお話をありがとうございました!
Sansan事業部マーケティング部 北口理人氏

新しいビジネスインフラになる、という価値創造を全社一丸で追いかけているSansan。そのCMを担当する北口氏もまた、同社のマーケティングの仕事において、重視すべきは、新しいやり方をみつけることや、新しい価値をつくることだと語った。
これからも、SansanのCMやプロモーション展開から目が離せない。

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