メディアレポート

ディップはターゲット含有率を基準に媒体社を選ぶ

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ディップ株式会社 マーケティング室長・柴崎直和氏インタビュー

聞き手:メディアコンサルタント・境 治

「バイトル」を中心に求人情報サービスを展開する、ディップ。人手不足も追い風となり急成長する同社にとっては、ユーザー集客がいのちだ。同社のマーケティング室では、メディアの使い方について試行錯誤を重ね、とくにテレビCMについては費用効率のよい展開方法を追究してきた。このインタビューではマーケティング室の柴崎直和室長と奥山格氏に、同社の広告展開を核にしながらメディア分析のあり方、そしてスイッチ・メディア・ラボ社のテレビ視聴データ分析サービス「SMART」をどのように役立てているかお聞きした。「バイトル」を誰もが知る存在に押し上げてきた広告展開とデータ活用には多くの学びがあった。

老舗ネットサービスがテレビCMを打ち続ける理由

ディップ株式会社 マーケティング室長 柴崎直和氏
– ディップ社は「バイトル」の名称で求人情報サービスを展開しています。創業は20年ほど前ですね?
柴崎直和氏(以下、柴崎):今年、創業21年目に突入しました。代表の冨田(代表取締役兼CEO・冨田英輝氏)が情報サービスをはじめて、その中から派遣やアルバイトの情報を切り出してネットで配信するようになったのがサービスの始まりです。求人には将来性があると冨田が見込んで特化していきました。

– テレビCMはいつごろから展開されたのでしょう?
柴崎:2005年くらいからです。ネットの求人サービスでは一番早いと思います。

– CM出稿の効果はありましたか?
柴崎:半分以下だった「バイトル」の認知率がどんどん上がってきました。広告でリーチできる人の数がネットとは全然違いましたね。認知率が明らかに上がって、ユーザー数もそれに連れて上がっていきました。それから、営業がしやすくなったのも大きい。

– 若い人はテレビ離れしている、などと言われています。それでも若い人にCMが効くのでしょうか?
柴崎:広告の到達コストで比較すると、テレビは他のメディアより圧倒的に安いので、やっぱりテレビの効率は高いですね。しかし、視聴率に対するターゲットの若年層の含有率が下がっているので、昔に比べるとコストが上がっています。

SMART導入は「CMデータをすぐ数値化して判断」したかったから

メディアコンサルタント 境治氏
– SMART導入のきっかけは?
柴崎:2015年4月にコンサル会社の紹介で導入しました。テレビのデータを数値化して判断したいなあと思っても、手元で見られるものがなかったですから。サービスを知ってすぐに導入しました。

– SMARTのデータでは、日々どういうチェックをしていますか?
奥山格氏(以下、奥山):競合のCM状況は毎日チェックしています。それから自社のアクチュアル(※)もバイトル関連のCM合算の形で毎日見ていますね。

– そうすると、競合CMが活発なのに自社が不足しているとアクションに繋げるわけでしょうか?
柴崎:そうできるといいですが、いまはテレビの広告枠が埋まるのが早くて2カ月前には埋まってしまいます。少ないと思った時に増やせないので、ネットなどで補填をしています。テレビの量は先に決めちゃうのでネットで調節することになります。

※アクチュアル
実際に放送されたときのCMの視聴率。スポットCMのセールスで使用されるGRP(延べ視聴率)は、ある算定期間(通常、販売時の前4週の平均)の実績値を使用するが、実際にCMが放映されたときの視聴率をアクチュアルと呼ぶ。

SMARTをスポットの局選定にも活用

ディップ株式会社 マーケティング室 奥山格氏
– SMARTを活用する良い点はどんなことでしょう?
柴崎:モニター数が多いのでデータの安定性・信頼性があり、分析しやすいと思っています。

奥山:個人の職業区分でデータが見られるのもいいですね。うちは大学生がメインターゲットですが、その個人視聴率が出せるのはうれしい。それからパートに向けたCMもあるので主婦の個人データも見ています。

– 個人視聴率をもとにスポットの枠選定などに使うのでしょうか?
柴崎:曜日や時間帯の選定より、出稿する「放送局」の選定を考えるときに役立てています。ターゲット含有率とコストとの兼ね合いで、どの局にどこまで入れて2番手はどうしよう、3番手4番手は?という局選定に使っています。優先する局の順番が入れ替わりました。ターゲットの含有率を考えると局別にコストの大きな違いがあったので、「そこを改善できただけでも導入コスト分が回収できた」と社内でも必要なマーケティングツールと評価しています。

– 狙ったターゲットの含有率が局によって相当違うのですか?
柴崎:時間帯を絞るとCMコストが上がっちゃうので、効率では全日で考えます。学生と主婦がターゲットなので、時間帯も広い。全日で見ていくと、局によってずいぶん違うことが分かりました。

– ターゲットの含有率が高い局を選ぶのでしょうか?
柴崎:含有率だけでなく、出稿単価とかけあわせて見ています。そうすると、いままで出稿していた順位とは違う局が2番手になりました。4番手から2番手になり、CMのコスト効率が大きく改善されました。

– SMARTにさらに期待することはありますか?
柴崎:調査エリアが関東に限定されているのは課題ですね。うちは東京以外の拠点が名阪福なんで、他のエリアのデータも見たいです。

奥山:職業区分、プランによってはオリジナルの職業区分も作れますが、現状だとサンプル数が足りないので、モニター数全体がもっと増えるとうれしいですね。

柴崎:そう、もう一歩深いユーザーで見られるといい。「大学生でアルバイトを探している」とか。正解は決まっているわけではなく、データによって考え方も変わってくるので、データは深く、いろいろな軸で見られる方がいい。

– 代理店とのやりとりにおいて、SMARTのデータがあると交渉に変化はありましたか?
奥山:いままでは代理店さんから、この放送枠を改案しましょうと提案があれば素直に従っていました。代理店主導でお話が進んでいた印象です。しかし、SMARTでデータがみられるようになってからは、時間帯・放送局別の当社のターゲット含有率を元に、どうあるべきなのかコミュニケーションできるようになりましたね。しっかりとやりとりできるようになったし、場合によってはデータをもとに、提案の見直しをお願いできるようになりました。

– 日々の広告出稿に関してデータが必要なのだとわかりました。データ活用の今後についてお聞きします。
柴崎:テレビはターゲット視聴者数が減少しているので、補完する媒体を探しています。YouTubeとか動画広告などを試すのですが、テレビと同じ指標のデータで見たいですね。テレビCMを見てない人に動画を当てるとか、一回二回しか見てない人にネットで補完するとか、そういうことを考える際に統合的なツールがあるといいと思っています。

テレビCMの意味は3つある

柴崎直和氏と奥山格氏と境治氏
– 御社にとっての広告メディアの価値はどのように考えますか?
柴崎:テレビCMをはじめとしたマス広告の意味は3つあると考えています。まず、「ユーザーの獲得」。そして「営業の支援」。最後に「社員の士気」です。この3つを託す受け皿として、テレビは大きな効果があると考えています。ネット広告ですと、広告が当たるかどうかは人によるため、全体の影響力にやや欠けます。テレビは人材採用にも影響するし、副次的な価値がいろいろあります。

– 今日はありがとうございました。学びの多いお話をお聞きできました。

テレビCMへのデータ活用というと、筆者は時間帯の選び方だと思い込んでいたのだが、局選定にも役立てているお話は非常に新鮮だった。ターゲットが見ているかどうかと、コストとの兼ね合いを考える際にこそデータが役に立つ。マーケティングとはビジネスの一環であり、コストと効率を照らし合わせるシビアな業務なのだと再認識した。テレビCMそのものの立ち上げから十年余の使い方をお聞きできたのは、データの話以上に参考にできる要素がいっぱいだった。今後、バイトルがどう成長していくかも含めて、今後も注目していきたい。

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