メディアレポート

ユニ・チャームはCM効果測定に、デジタル広告と同じスピード感を求めていた。

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ユニ・チャーム株式会社 グローバルマーケティング統括本部
eUC推進部メディアグループ チーフプランナー
森田有紀子氏 インタビュー

聞き手:メディアコンサルタント・境 治

ユニ・チャームはムーニーをはじめとする紙おむつ、生理用品のソフィなど、人びとの生活をやさしくサポートする様々な製品を世に送り出してきたメーカーだ。そのマーケティング部門で、メディア分析とプランニングを担う森田有紀子氏にお話を伺った。商品ブランドを担当して、リサーチ部門も長らく経験、その後メディア担当になった森田氏にとって、テレビとネットのデータの量や提供スピードの違いが驚きだったようだ。その違いを入り口に、メディアにおけるデータの使い方や重要性について伺った。

メディア分析の範囲は、どこまでも広がる

森田氏の肩書きはメディアグループのチーフプランナー。主にベビーケアのメディアをテレビと雑誌、デジタルまで担当している。業務の中でメディアリサーチの役割は重要だと言う。

「分析の範囲は結構広いですね。単独メディアの分析ならある程度簡単にできて、計画に対する実績は出てくる。そこから、クロスメディアでどうなのか、さらにCM投下量に対してお客様の購買に繋がったのか、といったところは複雑です。」

プランニングではどんなところが課題になるのだろうか。

「いまはプランニングした結果の効果検証が大事ですね。その広告は態度変容させるために意味があったのか?そうした検証をもっとしっかりやっていきたいと思っています。」

SMART導入は、デジタル広告と同等のスピードを求めたから

ユニ・チャームではスイッチ・メディア・ラボのテレビ視聴データSMARTを導入している。その目的や経緯について聞いた。

「スポットCMの結果データは、代理店からいただいているのですが、それが広告展開の2週間後になってしまう。最後のレポートサマリーまで出てくるにはもっとかかります。デジタル広告ですと1週間分のレポートが翌週には納品されるのに対して、テレビCMのデータ提供はあまりにも時間がかかりすぎる。」

だからこそ、3営業日でCMデータが提供されるSMARTに興味を持ったのだと言う。

「私は別の部署から来たので、なんてテレビは結果が遅いのだろうと感じました。データ提供されるスピード感が全然違うので、導入が決定しました。」

実際に使ってみるとどう感じたのだろう。

「導入して素直によかったですね。3営業日でデータが開示されて、CM投入量もリーチもわかりますから。早くわかるのはまず一番大きな利点だと思いました。」

ターゲットを細かく分けて分析できたり、競合他社の状況もみたりできる点も評価しているそうだ。

「弊社の商品はターゲットが細かく区切られています。生理用品はかなり広い女性、ベビーだったら0〜3歳の子供を持つママ、大人用の紙おむつだと高齢層などとターゲットごとに分析できるのはとても助かります。購買属性やライフスタイルでもセグメントが切れるので“ペットを保有している人”など、細かく見ることができるのはデジタルに近いですね。競合他社さんの実績がわかるのもうれしい。他社の出稿状況も見て次のプランニングに活かしています。」

SMARTは細かな分析ができるからこそ使い方が広がる

日々の業務の中でどのようなワークフローでSMARTを使っているのだろう。

「SMARTを使って自社のキャンペーンの進捗、リーチ・フリークエンシー・出稿時間帯・本数などを確認していきながら、社内のマーケティング担当者や代理店と現状、課題などを共有しています。」

タイムCMの枠を議論する際にうまく役立てていることも教えてくれた。

「いくつかの番組をどう組み合わせるのがそのブランドにとってリーチが広がるのか。改編時にどの番組の優先度が高いか、データを元に話ができるのはすごくいいなと思います。」

さらに代理店との話し方もSMARTによって変わってきたと言う。

「CMキャンペーンの状況を互いに追いかける時に、今はこちらもデータを持っている。 何も知らない状態だった以前とは違う話し合いができますね

今まで見えなかったこと、わからなかったことが直接わかるようになるのが、SMARTの最大の良さと言えそうだ。

「例えば、番組のタイム出稿時、リーチ実績としてどうだったかを『CM素材別』では、今までは、細かく見れませんでした。生理用品でも”夜用”とか”昼用”という分類がある。オムツでもパンツタイプとテープタイプではターゲットがちょっとずつ違う。それぞれのCMターゲットに対してどういうリーチを定量的に達成できたのかが知りたい。タイムでベースのリーチを獲得して、その上で不足しているところにスポットを追加したりデジタル広告でカバーしたりするので、ターゲット別・CM素材別リーチ結果をスピーディに細かく把握できることは重要です。」

これからのSMARTの課題はデジタルとの接合

森田氏に、SMARTにさらに求めるものは何かを聞いてみた。

「テレビは金額も影響力も大きいので、CMの接触回数別に態度変容まで分析できたり、デジタルとの組み合わせでどういうリーチになっているか、というところまで見られたりすると、さらにいいですね。」

テレビとネットはどう組み合わせ、どう使い分けるのか、それこそいまメディアプランニングの大きな悩みだ。

「例えば大人用のおむつのキャンペーンだと年齢が高いので、デジタルにシフトする価値はどこまであるんだろうと議論になっています。」

若い層はどうなのだろう。テレビがまだまだ効くのか、もうネット中心にシフトと考えているのか。

「若い層に対しても、リーチの観点ではやはりテレビは有効だと思っています。まったく見ない人も今はいますが、コスト効率も考えるとまずテレビを使うことになります。」

メディアリサーチはこれからどう進めばいいのか

SMARTに限らず今後のメディア分析全体に求めていること、重視したいことを聞いてみた。

「最終的にどういうメディア設計が良いかを考える上で、費用対効果が求められる。そうすると、SMARTと他のデータが繋がることはすごく大事な気がします。」

今はBIツール(Business Intelligenceツール)もあって、SMARTのデータと別のデータを組み合わせて日々追うことも可能になってきた。

「弊社もBIツールを試行しています。ただそうなるともうメディアだけの話じゃなくなるので、購買状況や市場単価、販促などの話も最終的には全部関連してきます。部門を越えて、データをみていかないといけないですね」

さて最後に、企業にとってのメディアの価値についてもお聞きした。

「ブランド価値を高めていくためにテレビなどのメディアは必要な存在です。オウンドだけで来てくれる人は限られています。メディアは、ブランドを知ってもらったり、好きになってもらったり、そのための場です。それは今後もずっと大事なのだろうと思います。」

企業がメッセージを、日々人びとが楽しむメディアの中で見てもらいたい想いは、時代がどれほど進んでも変わらない。だからこそ、その分析はこれからますます重要になるはずだ。デジタルの登場で逆にテレビの価値が高まり、一方でデジタル同様のスピード感が求められている。そのことがよくわかる取材となった。テレビの視聴データの進化に、期待が高まっている。

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